パソコンのCPUの選び方とは？おすすめのメーカーや製品も徹底解説！

CPUとは？

CPU（Central Processing Unit）とは中央処理装置といわれるPCの脳にあたるパーツで、PCの各パーツを制御したり、演算を行う装置です。

CPUは性能が高ければデータの処理のスピードが上がり、たくさんのデータを同時並行で処理できるようになり、PCの動作が快適になります。

このことからPC全体に影響を与えるため、PCの性能に大きく左右します。

代表的なCPUメーカーはintel（インテル)とAMDの2社です。ほとんどのPCはどちらかのメーカーのCPUを搭載しています。

性能が高いCPUとは？

CPUにはコアと呼ばれる、処理を実際に行うCPUの核となるものがあります。コア数が多ければ複数の処理を同時並行で行う事ができます。

また、CPUの1秒間の動作数を表す動作周波数の値が高ければより多くの処理を行う事ができます。

つまり、コア数が多く、動作周波数が高ければCPUとしては高性能と言えます。

CPUの型番の見方

CPUの型番にはそれぞれ意味があり、そのCPUの世代・グレード・タイプなどを知る事ができます。

intel・Ryzenともに基本的にはCPUの「ブランド名+グレード・シリーズ名+プロセッサーナンバー+接尾辞」で構成されています。（※intelはメーカ名から）

下記2点のintel製品、AMD製品に当てはめると以下の通りです。

■ CPUの型番例

またこれら2点の型番をそれぞれ分解して表にすると以下の通りになります。

■ CPU名：intel Core i5-10400F 2.9GHz 6C/12TH

名称	意味	解説
intel	メーカー名	「intel」とういうメーカーの製品
Core	ブランド名	intelの「Core」とう言うブランド名
i5	グレード名・シリーズナンバー	Coreの中のグレードの１つ他にもi3、i7、i9などがあり、数字が高いほど高グレード
10400	プロセッサーナンバー	世代と性能を表すもので数字が高いほど高性能
F	接尾辞	CPUのタイプ
2.9GHz	基本クロック（動作周波数)	データの処理速度
6C	コア数	実際にデータ処理をする部分
12TH	スレッド数	コアが作業する場所

■ CPU名：Ryzen3-3300X 3.8GHz 4C/8TH

名称	意味	解説
Ryzen	ブランド名	「AMD」とういうメーカーの製品
3	グレード名・シリーズナンバー	性能グレードを表す数字   他にもRyzen9、Ryzen7、Ryzen5などがあり数字が高いほど高グレード
3300	プロセッサーナンバー	番台・性能を表すもので数字が高いほど高性能
X	接尾辞	CPUのタイプ
3.8GHz	基本クロック（動作周波数)	データの処理速度
4C	コア数	実際にデータ処理をする部分
8TH	スレッド数	コアが作業する場所

intel・Ryzen共に接尾辞のアルファベットはそのCPUのタイプを表しています。

例えば、intelの場合だとFはCPUにグラフィックスが搭載されていないモデル、Kだとオーバークロックできるモデルだということが分かります。他にもKF.X.S.Tなど様々なモデルがあります。

以下の表はintelとRyzen、それぞれのCPUタイプをまとめたものです。

■ intel：CPUのタイプ

アルファベット無し	通常盤
X	最上級モデル。オーバークロック可能。
F	内蔵GPUなし。別途グラボの搭載が必要なモデル。
K	オーバークロック可能なモデル。
KF	内蔵GPUなし。オーバークロック可能なモデル。
S	省電力モデル。
T	Sよりもっと省電力なモデル。
U	ノートPCむけ。省電力モデル。
H	ノートPCむけ。高性能モデル。
G1~7	ノートPCむけ。数値が高いほど内蔵グラフィックスが高性能。

■ Ryzen：CPUのタイプ

アルファベット無し	通常版
X	最上位　性能重視
G	GPU内臓(AMDのCPUはG以外だとグラフィックボードが必須)
U	ノート用低消費電力版
E	ノート用低消費電力版
H/HS	ノート用ハイパフォーマンス版

【比較】AMDとIntelの違いとは？

■ 【比較】AMDとIntelの特徴

AMD（Ryzenシリーズ）	intel
・マルチスレッド性能に優れている ・省電力で温度が上がりにくい ・intelよりも価格が安め	・シングルスレッド性能に優れている ・CPUにグラフィックスが搭載されている

AMDのRyzenシリーズはマルチスレッド性能に優れています。動画のエンコードや複数のアプリケーションを効率よく処理することが得意です。

また、intel製に比べて省電力なのでCPU温度も上がりにくく、同じくらいのスペックでもintel製よりも値段が比較的安い点が特徴です。

intelはシングルスレッド性能に優れています。アプリの起動や、webのブラウジング、ゲームなどの単一のアプリケーションの処理が得意です。

デフォルトでCPUにグラフィックスが搭載されているのでグラフィックボードがなくても映像出力できる点もポイントです。

IntelのCPUの種類

IntelのCPUは「Coreプロセッサー」「Pentiumプロセッサー」「Celeronプロセッサー」の3つに分類されます。

Coreプロセッサーは処理能力が高く、性能の高いパソコンに搭載されるCPUです。

PentiumプロセッサーとCeleronプロセッサーが低価格でコスパの良いCPUです。

Intelが提供しているそれぞれのCPUの性能について以下の表にまとめました。

■ IntelのCPU

CPU	スペック
Celeron	エントリーモデル
Pentium	エントリーモデル
Core i3	エントリーモデル
Core i5	ミドルモデル
Core i7	ハイエンドモデル
Core i9	ハイエンドモデル

動画作成や画像編集などのクリエイティブな作業をしたい方や、きれいなグラフィックでオンラインゲームを楽しみたい方にはCore i7以上のハイエンドモデルがおすすめです。

AMDのCPUの種類

AMDが提供しているCPUは「Ryzenプロセッサー」「Athlonプロセッサー」「AMD 3015e・AMD 3020e」などです。

それぞれのCPUの性能について以下の表にまとめました。

■ AMDのCPU

CPU	スペック
AMD 3015e・AMD 3020e	エントリーモデル
Athlon	エントリーモデル
Core i3	エントリーモデル
Ryzen 3	ミドルモデル
Ryzen 5	ハイエンドモデル
Ryzen 7	ハイエンドモデル

ウェブサイトの閲覧以外に、仕事やゲームなどで利用したい場合にはRyzen5以上のスペックがおすすめです。

パソコンに搭載されているCPUの調べ方

ここでは、現在利用しているパソコンがどんなCPUを搭載しているのか調べる方法について解説します。

Windows11の場合、以下の順で確認できます。

手順1：Windowsボタンを押す

画面下にあるWindowsボタンを押しましょう。

手順2：設定を選ぶ

歯車のマークをしている設定を選びましょう。

手順3：プロセッサを確認する

「プロセッサ」はCPUのモデルナンバーであり「実装RAM」がメモリー容量です。

「CPUの性能が低いのかな？」と感じた時に、ぜひチェックしてみてください。

CPUのスペックの見方

CPUのスペックは、以下の5つのポイントから把握できます。

■ パソコンのCPUの見方

コア

コアとはパソコンを処理するCPUの中核の部分です。

パソコンには1～16個のコアが搭載されており、数が多いほど処理する力が高いと言われています。

一般的に2～12個のコアを搭載しているCPUが多いです。

以下のようにコアを搭載している数によって、呼び方が変わります。

■ コア数別の呼び方

スレッド

スレッドとは、同時に処理を行う役割を表します。

コアが作業する人数を表すとしたら、スレッドは作業台の数を意味します。

6コア6スレッドのCPUに比べて、6コア12スレッドのCPUは倍のスピードで処理できる力があります。

クロック周波数

クロック周波数の数値が高いCPUほど、処理するスピードが速いです。

パソコンは「0」と「1」の電気を変更して処理しており、クロック周波数は「0」と「1」を切り替えるスピードを表しています。

コア数が同じでも、クロック周波数が高いCPUのほうが処理を素早く行ってくれます。

キャッシュ

キャッシュはCPUに内蔵されているメモリであり、頻繁に利用するデータをキャッシュに保存することで処理速度を上げています。

2次キャッシュ、3次キャッシュを搭載しているパソコンが販売されていて、2次キャッシュ以上が利用しやすいです。

内蔵グラフィック

内蔵グラフィックは、グラフィック処理を担っている部分です。

CPUが内蔵グラフィックを搭載していたら、グラフィックボードを利用しなくても、高画質の画像や映像を出力できます。

パソコンのCPUの選び方

CPUを選ぶ際のポイントを"メーカー”、”コア数”、”CPUのグレード”の３点に絞り、それぞれどのような特徴や性能があるかをまとめましたのでCPU選びの参考にしてください。

■ パソコンのCPUの選び方

メーカーで選ぶ

代表的なCPUメーカーはAMD・intelの2社です。

AMDのRyzenシリーズ、intelのCoreiシリーズは共に一般的な事務ソフト・webブラウジングからゲーム・クリエイティブまで幅広く対応できるものが揃っており人気のブランドです。

コア数とスレッド数で選ぶ

コアは実際に処理を行う部分でコア数が多いとデータを同時並列で処理できるようになります。

また、スレッドはコアが作業する場所のようなもので基本的にはコアと同じか２倍の数が備わっています。

このことからコア数が多ければ一度に処理できるデータが増えるので、いくつかのソフトをたちあげても快適に作業できたり、動画編集などの同時並列で処理する作業のスピードがアップします。

またintelの12世代からPコア、Eコア2種類のコアを組み合わせて運用する技術が取り入れられており、16コア24スレッドなど純粋に2倍した数のスレッド数ではないものもあります。

CPUのグレードで選ぶ

CPUのグレードもCPUを選ぶ際のポイントです。

各グレードをロー・ミドル・ハイの3つに分けて実際どれくらいの性能かを記載しました。

ハイエンドモデル：Corei9 Ryzen9

ミドルモデル：Corei7 Corei5 Ryzen7 yzen5

ローモデル：Corei3 Ryzen3

AMDとIntelのおすすめのCPU

性能とコストパフォーマンスをポイントに、intelとRyzenのおすすめCPUをそれぞれ３つピックアップしました。是非CPU選びの参考にしてください。

■ AMDとIntelのおすすめのCPU

AMD	・Ryzen 9 5950X ・Ryzen 9 5900X ・Ryzen 7 5700X
Intel	・Core i9 13900KF ・Core i7 12700F ・Core i5 12600KF

AMDのおすすめCPU

Ryzenシリーズはintel製と同レベルのスペックでも価格が安いのが魅力的なので、最新・前世代から特にコスパのいいものをピックアップしました。

■ Ryzen 9 5950X

Ryzenの最新モデルでハイスペックCPUです。

マルチ・シングル性能共に高性能で、総合評価のベンチマーク（PassMark）では高いスコアを出しています。

PCのグラボや他パーツも一番良いもので揃えたい方におすすめです。

▼ 価格とスペック

価格	7万8795円（税込）
コア数	16
スレッド数	32
基本クロック	3.4GHz

※ 価格は2023年4月現在、ツクモでの販売価格を参照

■ Ryzen 9 5900X

こちらは最新のRyzen 9 5950Xと比べて全体性能では劣りますが、シングル性能では同レベルのパフォーマンスを発揮するCPUです。

Ryzen 9 5950Xと比べると価格が安くなっており、コストパフォーマンスが非常に優秀な一台です。

▼ 価格とスペック

価格	4万4220円（税込）
コア数	12
スレッド数	24
基本クロック	3.7GHz

※ 価格は2023年4月現在、ツクモでの販売価格を参照

■ Ryzen 7 5700X

値段もお手頃で動画編集・ゲームにもしっかり対応できる性能をもったミドルクラスのCPUです。

コストパフォーマンスが非常に優秀で、中〜高性能で値段を抑えたい方におすすめのCPUです。

▼ 価格とスペック

価格	2万6980円（税込）
コア数	8
スレッド数	16
基本クロック	3.4GHz

※ 価格は2023年4月現在、ツクモでの販売価格を参照

IntelのおすすめCPU

intel製のCPUは性能が高い点が強みです。Corei5・7・9それぞれの最新世代でコスパがいいものをピックアップしました。

■ Core i9 12900KS

intelの最新モデルで最上位のCPUです。

Ryzenシリーズに負けていたマルチスレッド性能もRyzen 9 5950Xより高いスコアを出しており、シングル性能も最強のCPUです。

省電力モデルではあるものの、やはりintel製はデフォルトが高いので発熱などをしっかり抑えられる高性能なCPUクーラーは必須です。

▼ 価格とスペック

価格	10万9980円（税込）
コア数	24
スレッド数	32
基本クロック	3.0GHz

※ 価格は2023年4月現在、ツクモでの販売価格を参照

■ Core i7 12700F

Corei7シリーズの最新モデル（12世代）です。12世代の中で一番コストパフォーマンスが良いCPUです。

CPUにグラフィックスがないタイプなので、グラボは別途用意する必要がありますのでご注意ください。

▼ 価格とスペック

価格	4万3980円（税込）
コア数	12
スレッド数	20
基本クロック	4.9GHz

※ 価格は2023年4月現在、ツクモでの販売価格を参照

■ Core i5 12600KF

Corei9の11世代を凌ぐスペックをもったミドルクラスの中でも高性能なCPUです。

コストパフォーマンスはintel製のCPUのなかでも1・2位を争うほど非常に良い一台となっています。

▼ 価格とスペック

価格	3万6980円（税込）
コア数	10
スレッド数	16
基本クロック	3.7GHz

※ 価格は2023年4月現在、ツクモでの販売価格を参照

【注意】CPU以外に気をつけたいパソコンのスペック・性能

CPU以外に気をつけたいパソコンのスペック・性能は以下のとおりです。

■ コア数別の呼び方

メモリ

パソコンに搭載されているメインメモリとは、データを一時的に保管しておくスペースであり、メモリが大きいほどデータに素早くアクセスできます。

高性能なCPUを搭載していても、メモリが少ないとストレージへのアクセスが多くなり、動作が遅くなります。

ハイスペックのパソコンを購入したい場合、CPUだけでなくメモリ容量に気を付けることが大切です。

ストレージ

快適にパソコンを利用したい場合、SSDのストレージがおすすめです。

ハードディスク（HDD）の場合、データへのアクセスに時間がかかってしまいます。

グラフィックボード

高画質の動画編集や、美しいグラフィックでゲームを快適にしたい場合には、高性能なCPUに加えて、グラフィックボードが搭載されているパソコンを選びましょう。

CPU内蔵のGPUでは、処理が重くなる可能性があります。

パソコンのCPUについてのよくある質問

CPUに関するよくある質問を5点ピックアップし解説していきます。

その他、パソコンのCPUについて疑問や不安がある方は是非参考にしてください。

Core i5とCore i7はどのくらい性能が違う？

A．Core i5とCore i7の大きな違いは、コア数とスレッド数です。

■ Core i5とCore i7の大きな違い

	第13世代Core i5	第13世代Core i7
コア数	10コア	16コア
スレッド数	16コア	24スレッド

Core i5よりもCore i7のほうがスペックが高く、ハイスペックなCPUが欲しい場合にはCore i7を選びましょう。

CPUの性能・スペックが低いとどうなる？

A．CPUの性能が低いと、フレームレートが低下してしまい、結果としてラグが発生します。

オンラインゲームの場合、敵から攻撃を受けてから数秒後にダメージが反映されると言った現象が起きます。

CPU・メモリ・SSD・GPUの性能がバランスよくなるように注意しましょう。

CPUの交換時期はいつ？

A．CPUに明確な交換時期はありませんが、CPUが単体で壊れた時は交換しましょう。

新しいものに買い替える場合は3~5年くらいで交換すると、新しいCPUとの性能差を感じられます。

恐らくその場合は、マザーボードなども交換する必要があるので、CPUだけというよりはPC自体を買い変える事になります。

基本的な作業のみPCを使用する方（ゲーム・動画編集・webブラウジング）は、CPUのみを交換する機会はほとんどないかと思われます。

CPUは自分で交換できる？

A．自分で交換することは可能ですが、PCに詳しくない方にはお薦めしません。

CPUを交換をする際はCPUだけを取り替えるわけではありません。必ずCPUクーラーをとり外す作業があり、その際マザーボード自体もPCケースから取り外す事が多いです。

交換作業後にPCが起動しないといったトラブルが発生するケースも多いので、不安な方はPC修理業者に依頼しましょう。

また、新しいCPUに交換する際は対応しているCPUソケットを搭載しているマザーボードかどうかを確認する必要もあります。

例えば同じintel製品のCPUであってもCPUソケットの型番が違う場合があり、マザーボードから交換する必要があります。

また、intelとRyzenでは互換性がないのでRyzenのCPUからintelのCPUに取り替えたい場合はこちらもマザーボードごと交換する必要があります。

CPUが高温になった場合の対処法は？

A．CPUクーラーに不具合が起きているか、またはCPUグリスが劣化している可能性が高いです。

CPUクーラーを交換するか、グリスを塗り直す対応が必要です。ですが、こちらもPCに詳しくない方には自分で作業する事をお薦めしません。不安な方はPC修理業者に依頼しましょう。

また、PCケース内部の排気が悪いとPCの温度が上昇する傾向にあります。主にPCケース内部に詰まった埃やファンの汚れなどが原因でこのような症状が現れますので、年に1回はエアダスターなどで掃除をする事をおすすめします。

まとめ

CPUを選ぶ時は自分がPCで何をしたいかが明確であると決めやすいです。

例えば、動画編集・ゲーム・クリエイティブをプロフェッショナルでやりたい方は、グラフィックボードやメモリがハイエンドなパーツで構成され、それに併せてハイエンドなCPUが必須になってきます。

パソコンのCPUの選び方は以下の通りです。

■ パソコンのCPUの選び方

また代表的なCPUメーカーであるAMDとIntelのおすすめCPUは以下の通りです。

■ AMDとIntelのおすすめのCPU

AMD	・Ryzen 9 5950X ・Ryzen 9 5900X ・Ryzen 7 5700X
Intel	・Core i9 12900KS ・Core i7 12700F ・Core i5 12600KF

自分の使用目的にあったCPUを探せるようになるとPC選びにも選択肢が増え、PC環境が充実してきます。是非CPU選びの際の参考にしてください。